床に物を置かないようにすれば、出かけている間や寝ている間に掃除が終わっている――ロボット掃除機は、共働きや子育て中の家庭を中心にすっかり定番の家電になりました。一方で、最近のモデルは「吸引力◯万Pa」「温水モップ洗浄」「AI障害物回避」など機能が一気に増え、どれを選べばいいのか迷いやすくなっています。
この秋は、Roborockの「Qrevo 2 Pro」、アイロボットの最上級モデル「Roomba Max 875 Combo(Roomba Monster)」、コンパクトな「Roomba Mini」の日本限定色など、話題の新製品が続きました。10月29日には、Roborockが最新モデルを展示するポップアップイベントを11月5日から開催すると発表しています。
この記事では、メーカーの公式発表をもとに、ロボット掃除機の選び方を「家の条件」「吸引」「水拭き」「障害物回避」「ドック」の5つの視点で整理し、秋の新作4機種を比べます。
ロボット掃除機の選び方は「家の条件」から考える
スペック表を見る前に、まず自分の家の条件を確認しておくと、必要な機能がはっきりします。
- 床の種類:フローリング中心か、カーペットやラグが多いか
- 段差:部屋の入口の敷居やラグの縁がどのくらいの高さか
- 家具のすき間:ソファやベッドの下に入れたいか(すき間の高さを測っておく)
- 置き場所:充電ドック(ステーション)を置けるスペースがあるか
- 家族構成:ペットの毛や長い髪の毛が多いか、子どものおもちゃが床に出やすいか
とくに「段差」と「すき間の高さ」は、メジャーで測っておくだけで失敗がぐっと減ります。メーカーは「最大◯cmの段差を乗り越え」「高さ◯cm」といった数字を公表しているので、自宅の数字と照らし合わせて選びましょう。
チェック1:吸引力(Pa)は「目安」として見る
最近のロボット掃除機は、吸引力をPa(パスカル)で表示するものが増えました。今回取り上げるモデルでは、Roborock Qrevo 2 Proが最大25,000Pa、Xiaomi ロボット掃除機 6 Maxが最大35,000Pa、Xiaomi ロボット掃除機 6が最大30,000Paと発表されています。
ただし、Paの数字は各社の測定条件のもとでの最大値です。注記を読むと、測定方法や条件はメーカーごとに書き方が違います。数字が大きいほど吸引の余力はあると考えられますが、メーカーをまたいで数字だけで単純比較しないのが安全です。
また、アイロボットはPaの数値ではなく「ルンバ史上最高の吸引力」「Roomba Plus 505比で最大5倍の吸引力」という表現で発表しています。ブランドによって表記のしかたが違う点も覚えておきましょう。
髪の毛の絡みにくさも大事
毎日動かすロボット掃除機では、ブラシに絡んだ髪の毛を取るのが意外と手間です。Qrevo 2 Proは「デュアル毛絡み防止システム」、Xiaomi ロボット掃除機 6 Maxは「自動毛絡みカットブラシ」を備えるとしています。髪の長い家族やペットがいる家庭では、こうした機能の有無も確認しておきましょう。
チェック2:水拭き(モップ)は「回転式」か「ローラー式」か
吸引と水拭きを1台でこなすモデルが主流になり、モップの方式も大きく2つに分かれています。
| 方式 | しくみ | 今回の新作の例 |
|---|---|---|
| 回転モップ式 | 丸いモップが回転しながら床を拭く | Roborock Qrevo 2 Pro(毎分最大200回転のデュアル回転モップ) |
| ローラーモップ式 | 筒状のローラーが回転しながら拭き、汚れた水を回収する | Xiaomi ロボット掃除機 6/6 Max、Roomba Max 875 Combo |
| シート式 | 床拭きシートを取り付けて拭く | Roomba Mini(市販の使い捨て床拭きシートに対応) |
カーペットがある家では、モップを持ち上げる・外す機能があると安心です。Qrevo 2 Proはカーペットを検知するとモップを12mm持ち上げ、ドックでモップを自動で取り外して吸引だけで掃除する機能もあると発表されています。Roomba Max 875 Comboも、カーペットを検知してローラーカバーを持ち上げるとしています。
チェック3:障害物回避は「何を避けられるか」を確認
床にケーブルや靴下、ペットの排せつ物などがあると、ロボット掃除機が巻き込んで止まってしまうことがあります。そこで重要なのが障害物回避の性能です。
- Roborock Qrevo 2 Pro:構造化ライトを使う「Reactive Tech」で、幅5cm・高さ3cm以上の物体を回避(100%の回避を保証するものではないと注記あり)
- Xiaomi ロボット掃除機 6 Max:AIトリプルカメラと360°LiDARで、320種類以上の物体・汚れを認識(アプリでAI認識をオンにする必要あり)
- Xiaomi ロボット掃除機 6:AIカメラで220種類以上の障害物を認識(AI検出は初期設定でオフ)
- Roomba Max 875 Combo:「ClearView Pro Dual-Line LiDAR」と「PrecisionVision AI テクノロジー」を搭載
注記にあるとおり、どのモデルも「何でも必ず避けられる」わけではありません。使う前に床の小物やケーブルを片付ける習慣は、どの機種でも大切です。また、カメラ搭載モデルの中には初期設定でAI認識がオフになっているものもあるので、購入後にアプリの設定を確認しましょう。
段差とすき間の数字もここで確認
Xiaomi ロボット掃除機 6 Maxは最大6cmの単段段差を乗り越え、高さ9.3cm以上のすき間に入れるとしています。Xiaomi ロボット掃除機 6は本体の高さ9cm・最大4cmの段差に対応、Roomba Max 875 Comboは最大3.5cmの段差を乗り越えるとしています。最初に測った自宅の数字と照らし合わせてみてください。
チェック4:ドック(ステーション)の機能と置き場所
上位モデルほど、充電ドックが「ゴミの自動収集」「モップの洗浄・乾燥」「給水」まで担うようになっています。手間は大きく減りますが、そのぶんドックが大きくなります。
| モデル | ドックの主な機能(公式発表) |
|---|---|
| Roborock Qrevo 2 Pro | 最大75℃の温水モップ洗浄、最大45℃の温風乾燥、ゴミ自動収集は最長65日間 |
| Xiaomi ロボット掃除機 6 Max | 最大85℃のモップ洗浄、50℃の温風乾燥、紙パック交換不要は最長75日間 |
| Xiaomi ロボット掃除機 6 | 最大80℃の温水モップ洗浄、最短2時間の温風乾燥、最長75日間ゴミ捨て不要 |
| Roomba Max 875 Combo | 最大3か月の自動ゴミ収集、80度の温水によるモップ洗浄、55度の温風による乾燥、4リットルの給水タンク |
温度や日数は、各社の試験条件にもとづく最大値・目安です。置き場所については、たとえばRoomba Max 875 Comboの充電ステーションは幅35.0×奥行49.9×高さ47.5cm、Xiaomi ロボット掃除機 6 Maxのステーションは289×360×582mm(スロープ除く)と公表されています。ドックの前に本体が出入りできる余白も必要なので、購入前に置き場所の寸法を測っておきましょう。
チェック5:アプリと音声アシスタント
多くのモデルは、スマホアプリで掃除のスケジュールや進入禁止エリアを設定できます。Qrevo 2 Proは、掃除の習慣を学習して部屋ごとのプランを作る「SmartPlan™ 3.0」に対応し、Matterに対応してAlexa、Siri、Google Homeとも連携できると発表されています。Xiaomiの2機種は「Xiaomi Home」アプリで遠隔操作やスケジュール設定ができ、チャイルドロック機能も備えます。
秋の新作4機種を比較
ここまでのポイントを、公式発表で確認できた情報で表にまとめます。価格はいずれも発表時点のもので、販売店によって変わることがあります。
| モデル | 価格(発表時) | 吸引 | 水拭き | 発売 |
|---|---|---|---|---|
| Roborock Qrevo 2 Pro | 希望小売価格164,780円(税込) | 最大25,000Pa | 回転モップ | 2026年10月2日 |
| Xiaomi ロボット掃除機 6 Max | 市場想定価格148,000円(税込) | 最大35,000Pa | ローラーモップ | 2026年8月27日 |
| Xiaomi ロボット掃除機 6 | 市場想定価格89,800円(税込) | 最大30,000Pa | ローラーモップ | 2026年8月27日 |
| Roomba Max 875 Combo | 公式オンラインストア価格249,800円 | Roomba Plus 505比で最大5倍 | ローラーモップ(60度の温水ミスト) | 2026年10月21日 |
Roborock Qrevo 2 Pro
部屋の隅を検知すると反転する新開発の「リバーシブルサイドブラシ」が特徴で、従来のサイドブラシに比べて隅の清掃範囲が最大30%広がるとしています(メーカーの社内試験)。モップは壁際1.85mmまで伸びるとされ、壁際や部屋の隅の汚れが気になる人向けです。発表時点の販売はヤマダデンキ店舗とヤマダウェブコムとなっています。
Xiaomi ロボット掃除機 6 Max/6
どちらもローラーモップ式で、6 Maxは16個の給水口を持ち、回転モップパッドと隅清掃用モップも付属するとしています。6は9万円を切る市場想定価格で、ローラーモップと全自動ステーションを備えたモデルです。Xiaomi公式楽天市場店やAmazon.co.jpでも販売されています。
Roomba Max 875 Combo/Roomba Mini
Roomba Max 875 Comboは、60度の温水ミストと加圧したローラーモップで汚れを浮かせて拭き取る最上級モデルです。一方、Roomba Miniは幅24.5cm・奥行24.5cm・高さ9.2cmと従来のルンバの約2分の1のサイズで、日本限定の新色「KINAKO」が11月2日に発売(価格49,800円)と発表されています。ワンルームや家具の多い部屋で、小回りを重視したい人の選択肢になります。
Roborockは11月5日から8日まで、麻布台ヒルズカフェで最新ロボット掃除機を展示するポップアップイベントを開催すると発表しています。実機の大きさや動きを見てから決めたい人は、こうした機会を利用するのもひとつの方法です。
まとめ:数字の前に「自宅の条件」を測ろう
- まず床の種類・段差・家具下のすき間・ドックの置き場所を確認する
- 吸引力(Pa)は各社の測定条件による最大値なので、メーカーをまたいだ単純比較は避ける
- 水拭きは回転モップ式とローラーモップ式があり、カーペットがあるならモップの持ち上げ・取り外し機能を確認
- 障害物回避は「何を・どの大きさから避けるか」を確認し、AI認識の初期設定もチェック
- ドックは機能が増えるほど大きくなるので、出入りの余白も含めて置き場所を測る
ロボット掃除機は毎日使う家電なので、スペックの高さよりも「自分の家で無理なく動くか」が満足度を左右します。今回の新作も、この5つの視点で比べてみてください。
参考にした情報
Roborock「Roborock Qrevo 2 Pro」発売(PR TIMES、2026年9月24日):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000122.000085581.html
Roborock ポップアップイベント開催のお知らせ(PR TIMES、2026年10月29日):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000124.000085581.html
小米技術日本「Xiaomi ロボット掃除機 6 Max/6」ほか発売(PR TIMES、2026年8月27日):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000257.000098799.html
価格.com新製品ニュース「Roomba Mini」日本限定の新色「KINAKO」(2026年10月15日):https://news.kakaku.com/prdnews/cd=kaden/ctcd=2130/id=159577/
価格.com新製品ニュース「Roomba Max 875 Combo(Roomba Monster)」(2026年10月14日):https://news.kakaku.com/prdnews/cd=kaden/ctcd=2130/id=159527/