10月も半ばを過ぎると、朝晩の空気がカラッとしてきて「そろそろ加湿器を出そうかな」と考える人も多いのではないでしょうか。加湿器にはいくつか方式がありますが、ここ数年あらためて注目されているのが、水を沸かして蒸気で加湿する「スチーム式」です。
2026年10月には、Areti(アレティ)の「クリーンポット」、Toffy(トフィー)の「スチーム式加湿器<1.8L>」と、スチーム式の新製品が続けて発表されました。この記事では、メーカーの公式発表と公的機関の情報をもとに、スチーム式加湿器の選び方と、事故を防ぐための使い方を僕なりにまとめます。
加湿器の4つの方式とスチーム式の特徴
まずは方式の違いをざっくり押さえておきましょう。
| 方式 | しくみ | 主なメリット | 主な注意点 |
|---|---|---|---|
| スチーム式 | 水をヒーターで沸かして蒸気を出す | 加湿力が高く、煮沸するので衛生的 | 電気代が高め。吹出口や内部のお湯が熱い |
| 気化式 | 水を含んだフィルターに風を当てる | 電気代が安く、吹出口が熱くならない | 加湿がおだやか。フィルターの手入れが必要 |
| 超音波式 | 振動で水を細かい霧にする | 静かでデザインが豊富、本体が安め | タンクの手入れを怠ると雑菌が増えやすい |
| ハイブリッド式 | 加熱と気化・超音波を組み合わせる | 加湿力と電気代のバランスがよい | 本体価格が高めになりやすい |
スチーム式は「しっかり加湿したい」「お手入れを簡単にしたい」という人に向いている一方で、電気代と熱い蒸気への対策がポイントになります。
そもそも湿度はどれくらいが目安?
部屋の湿度の目安としてよく参考にされるのが、厚生労働省が所管する「建築物環境衛生管理基準」です。これはオフィスビルなどの大きな建物向けの基準ですが、空気環境の基準として相対湿度40%以上70%以下(温度は17℃以上28℃以下)と定められています。
家庭でもこの範囲をひとつの目安にして、湿度計を置いて「上げすぎていないか」を確認しながら使うのがおすすめです。湿度が高すぎると結露やカビの原因にもなるので、加湿器はつけっぱなしにするより、湿度を見ながら調整するのがコツです。
2026年秋に登場したスチーム式加湿器2機種
Areti「クリーンポット(h2338IV)」
Aretiが2026年10月9日に発表したスチーム式加湿器です。リリースで公表されている主な特徴は次のとおりです。
- タンク容量3L、ステンレス製の広口タンクで洗いやすい
- フィルターを使わないノンフィルター構造
- 弱・中・強の3段階モードとタイマー
- 適用床面積(3モード平均)は木造和室で約7㎡、プレハブ洋室で約11㎡
- 電気代の目安(1日8時間)は弱で約37.2円、中で約55.1円、強で約76円
- チャイルドロック・開閉ロック、上下2つの温度センサーによる異常過熱時の安全停止
- 転倒しても湯がこぼれにくい構造、保温性を高めた内ぶた
販売はAmazon限定で、Amazonプライム感謝祭の先行セール期間(2026年10月13日〜19日)は通常価格10,990円のところ9,880円で販売するとされています(リリースに税込・税抜の明記はありません)。
Toffy「スチーム式加湿器<1.8L>(HHF4)」
株式会社ラドンナのブランド「Toffy」から、2026年10月13日に発売されたスチーム式加湿器です。少量ずつ水を加熱するしくみで、タンク全体を沸かすタイプよりも蒸気が出るまでが早いのが特徴とされています。
- タンク容量約1.8L、連続運転は約9時間(LOWモード)
- 加湿量はLOW約180mL/h、MED約250mL/h、HI約300mL/h
- 適用畳数はプレハブ洋室8畳、木造和室5畳
- 定格消費電力250W、サイズは約幅225×高さ265×奥行145mm、重さ約1.2kg
- カラーはスモーキーリーフとパンナホワイトの2色
- 価格は7,500円+税
2機種の比較
| 項目 | クリーンポット | Toffy HHF4 |
|---|---|---|
| タンク容量 | 3L | 約1.8L |
| 適用の目安 | 木造和室約7㎡/プレハブ洋室約11㎡ | 木造和室5畳/プレハブ洋室8畳 |
| 加湿量 | リリースに記載なし | 最大約300mL/h |
| 安全・お手入れ | チャイルドロック、温度センサー、転倒時の湯こぼれ対策、ステンレス広口タンク | リリースに詳しい記載なし |
| 価格 | 通常10,990円(セール時9,880円) | 7,500円+税 |
小さな子どもやペットがいる家庭なら安全機能が詳しく公表されているクリーンポット、デスクまわりや寝室でコンパクトに使いたいならToffy、という選び分けが考えられます。
スチーム式加湿器を選ぶ5つのポイント
1. 適用畳数と加湿量
使う部屋の広さに合った適用畳数のモデルを選びましょう。木造和室とプレハブ洋室では目安が変わるので、自宅の環境に近いほうの数字で比べるのがポイントです。
2. タンク容量と連続運転時間
寝室で一晩使うなら、朝まで給水なしで動くかが重要です。タンクが大きいほど給水の手間は減りますが、本体も大きく重くなります。
3. 電気代
スチーム式は水を沸かすぶん、ほかの方式より電気代がかかりがちです。クリーンポットのように電気代の目安を公表しているモデルなら比較しやすいですね。目安がない場合は、取扱説明書の消費電力と使う時間から大まかに見積もっておくと安心です。
4. お手入れのしやすさ
フィルターがないか、タンクの口が広くて手が入るか、は毎日の手間を大きく左右します。スチーム式は水道水のミネラル分が白く固まりやすいので、取扱説明書にある方法で定期的に掃除しましょう。
5. 安全機能
チャイルドロック、転倒時の湯こぼれ対策、空焚き・過熱防止など、どこまで対策されているかを必ず確認してください。次の章で紹介するとおり、スチーム式ではやけどの事故が報告されています。
NITEが注意を呼びかける加湿器の事故と防ぎ方
製品評価技術基盤機構(NITE)は2022年1月、加湿器の事故について注意喚起を発表しました。2016年度から2020年度までの5年間にNITEへ報告された加湿器の事故は35件で、そのうち27件は製品の不具合以外が要因とされています。
スチーム式で特に注意したいのが、子どもが蒸気の吹出口に触れたり、本体が倒れて中のお湯がこぼれたりする「やけど」です。乳幼児は皮膚が薄く、やけどが重くなりやすいとされています。NITEが挙げている主な注意点は次のとおりです。
- 高温の蒸気が出る製品は、子どもを近づけない
- 本体が倒れてお湯がこぼれないよう置き場所に注意する
- 給水タンクには水道水を入れ、指定以外の薬剤を入れない。満水ラインを超えない
- 定期的に手入れをし、本体は丸洗いしない
- 電源コードを引っ張ったり、本体にきつく巻き付けたりしない
- 自分の製品がリコール対象になっていないか確認する
置き場所は、子どもの手が届かず、人がつまずきにくい安定した場所を選びましょう。
スチーム式加湿器をチェックする
今回紹介した2機種以外にも、スチーム式加湿器はさまざまなメーカーから出ています。部屋の広さと安全機能を軸に、気になるモデルを比べてみてください。
まとめ
スチーム式加湿器は、加湿力が高く衛生的に使いやすい一方で、電気代と熱い蒸気への対策がポイントです。選ぶときは「部屋の広さ」「タンク容量」「電気代」「お手入れ」「安全機能」の5つを確認し、湿度計を見ながら40〜70%を目安に使うと快適に過ごせます。
2026年秋の新作では、安全機能が充実した3Lタンクのクリーンポットと、コンパクトで蒸気が早いToffyのHHF4が登場しました。小さな子どもがいる家庭は、置き場所とチャイルドロックもあわせて検討してみてくださいね。
出典:
Areti株式会社「クリーンポット」プレスリリース(PR TIMES、2026年10月9日)
株式会社ラドンナ「Toffy スチーム式加湿器<1.8L>」プレスリリース(PR TIMES、2026年10月6日)
NITE(製品評価技術基盤機構)「熱い蒸気と内部の湯に注意 ~知って防ごう『加湿器』の事故~」(2022年1月27日)
島根県「建築物環境衛生管理基準」