「会社のホームページ、もう何年もほとんど触っていない」「改善したいけれど、何から手をつければいいかわからない」。Web担当を兼務している人なら、一度は感じたことがあるのではないでしょうか。僕もブログを運営していて、気づけば古い記事が手つかずのまま、ということがよくあります。
2026年10月15日に株式会社OSIEが発表した「企業のWeb関連業務に関する実態調査2026」では、Web業務の最大の課題として「人員・時間の不足」と「専門知識の不足」を合わせて55.8%が選んでいました。つまり、多くの会社が「やるべきことはわかっていても、手が回らない」状態です。
この記事では、この調査結果とGoogleが公開しているガイドラインをもとに、人も時間も足りない会社でもできるWebサイト改善のやり方を5つのステップで整理します。
調査で見えたWebサイト運用のリアル
OSIEの調査は、勤務先のWeb関連業務に直接関わる20〜69歳の会社員・経営者・役員など120人を対象に、2026年10月9日にインターネットで行われたものです。
最大の課題は「人・時間」と「知識」
| Web業務の最大の課題 | 割合 |
|---|---|
| 社内の人員・時間が不足している | 28.3% |
| 社内の専門知識・ノウハウが不足している | 27.5% |
| 何から取り組むべきかわからない | 9.2% |
| 予算が不足している | 6.7% |
「予算が足りない」は6.7%にとどまり、お金よりも人と知識がボトルネックになっていることがわかります。
いちばん手が回っていないのは「Webサイトの更新・改善」
「十分に取り組めていないと感じる施策」(複数回答)では、「Webサイトの更新・改善」が41.7%でトップ。次いでSEO・検索対策が34.2%、コンテンツ・記事制作が25.0%、Web広告が22.5%、SNS運用とアクセス解析・データ分析がそれぞれ21.7%でした。
広告やSNSよりも、土台であるはずの自社サイトの改善が後回しになっている、というのが印象的です。
管理する人・部署がはっきりしない会社も多い
Web施策全体を管理する体制について、「明確にある」は29.2%。「一部を横断して管理する人・部署がある」が30.0%、「各施策を別々の担当者・部署が管理」が19.2%、「明確な管理者・部署はいない」が15.8%でした。また、外部パートナーを「積極的に活用したい」「必要に応じて活用したい」を合わせると67.5%に達しています。
なお、この調査はインターネット調査モニターから抽出したもので、日本の企業全体を代表するものではない点は、発表元も注記しています。
改善の前に知っておきたいGoogleの考え方
Webサイトを改善するとき、「検索順位を上げるために何をすればいいか」から考えがちです。でもGoogleは、検索セントラルのガイド「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成」で、検索エンジンのためではなく、人のために作られたコンテンツを重視するとはっきり書いています。
このガイドでは、次のような自己チェックの質問が紹介されています。
- 独自の情報、調査、分析を提供しているか
- 見出しやタイトルが内容を的確に表していて、誇張していないか
- 検索結果に並ぶほかのページと比べて、十分な価値があるか
- 読んだ人が、別のサイトで調べ直す必要を感じないか
また、内容が実質的に変わっていないのに日付だけを新しくして「新鮮に見せる」ことは、検索エンジン優先のコンテンツの例として挙げられています。「更新」とは日付を変えることではなく、読む人にとって情報を良くすることだと考えておきましょう。
人も時間も足りない会社のWebサイト改善 5ステップ
ステップ1:サイトの「目的」と「担当者」を1行で決める
まず「このサイトで何をしてほしいのか」(問い合わせ、資料請求、採用応募、来店予約など)を1つに絞ります。あわせて、サイト全体の最終判断をする人を1人決めましょう。調査でも、管理者・部署が不明確な会社が少なくありませんでした。決める人がいないと、改善はいつまでも始まりません。
ステップ2:アクセス解析で「よく見られているページ」を把握する
Googleアナリティクス4(GA4)やGoogle Search Consoleで、よく見られているページと、どんなキーワードで見つけられているかを確認します。いきなり全ページを直そうとせず、アクセスの多い上位5ページに絞るのがポイントです。人と時間が限られているなら、効果が出やすい場所から手をつけるのがいちばんです。
ステップ3:古い情報・つまずきポイントを直す
上位ページについて、次の点をチェックします。
- 料金、営業時間、担当者名、実績などの情報が古くなっていないか
- 問い合わせボタンやフォームが見つけやすい位置にあるか
- スマホで見たときに文字が小さすぎたり、ボタンが押しにくかったりしないか
- リンク切れや表示されない画像がないか
どれも専門知識がなくても確認できる項目です。まずはここを直すだけでも、訪れた人の離脱を減らすことにつながります。
ステップ4:よく聞かれる質問をコンテンツにする
営業やサポートの担当者が、お客さんからよく聞かれる質問を集めて、それに答えるページや記事を作ります。現場の質問は、その会社にしか書けない「独自の情報」になりやすく、Googleのガイドが重視する「人のためのコンテンツ」にもそのまま合います。1か月に1本など、続けられるペースを決めておきましょう。
ステップ5:外部パートナーは「足りない部分」だけに使う
調査では67.5%が外部パートナーの活用に前向きでした。ただ、丸投げすると社内に知識がたまらず、契約が終わると元通りになってしまいがちです。サイトの技術的な修正やデザインなど「社内にない専門スキル」の部分だけを頼み、目的やコンテンツの中身は社内で決める、という分担がおすすめです。
専門知識の不足を補うには、基本を体系的に学べる本を1冊、チームで読んでおくのも手軽な方法です。
改善を続けるための小さなルール
- 月に1回、30分だけアクセス解析を見る時間をカレンダーに入れる
- 直したページと日付をスプレッドシートに記録して、前後の変化を比べる
- 「完璧に直す」より「1か所ずつ直す」を優先する
Web担当が兼務の会社ほど、大きな計画より小さな習慣のほうが続きます。
まとめ:まずは上位5ページの更新から始めよう
OSIEの調査では、Web業務の最大の課題は「人員・時間」と「専門知識」の不足で、最も手が回っていない施策は「Webサイトの更新・改善」(41.7%)でした。
人も時間も足りないなら、全部を一度に直そうとしないことが大切です。目的と担当者を決める → よく見られるページを把握する → 古い情報とつまずきを直す → よくある質問をコンテンツにする → 足りない部分だけ外部に頼む、の5ステップで、できるところから始めてみてください。
参考にした出典
株式会社OSIE「企業のWeb関連業務に関する実態調査2026」(PR TIMES、2026年10月15日):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000020.000148145.html
Google検索セントラル「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成」:https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/creating-helpful-content