「食洗機は欲しいけど、賃貸だから工事ができない」「分岐水栓を付けられるか分からない」――そんな理由で、ずっと手洗いを続けている人は多いと思います。僕も、キッチンの蛇口まわりを見ては「うちは無理かな」とあきらめかけていた一人です。
そこで選択肢になるのが、水をタンクに注いで使う「工事不要の食洗機」です。2026年秋は、サンコーから予約タイマー付きの「ラクア Plus」(10月20日発売)、パナソニックからタンク式の卓上型「NP-TSP2」(9月中旬発売予定と発表)と、タンク式の新作が続いています。
この記事では、両社の公式発表で確認できた情報をもとに、工事不要の食洗機の選び方と、買う前に必ず確認しておきたい5つのポイントをまとめました。数字はすべてプレスリリース・公式発表に書かれているものだけを載せています。
工事不要の食洗機とは?タンク式と分岐水栓式の違い
据え置き型の食洗機には、大きく分けて2つの給水方法があります。
| 給水方法 | しくみ | 工事 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| タンク式 | 本体のタンクや給水口に、やかんやカップで水を注ぐ | 不要 | 賃貸住まい、蛇口の形が特殊、引っ越しの予定がある |
| 分岐水栓式 | 蛇口に分岐水栓を付け、ホースで直接給水する | 分岐水栓の取り付けが必要 | 毎日たくさん洗う、給水の手間をなくしたい |
タンク式の良いところは、コンセントと置き場所、排水できるシンクがあれば使い始められること。一方で、毎回水を入れる手間はかかります。最近は、ふだんはタンク式で使い、あとから分岐水栓での直接給水にも切り替えられる「2WAY」タイプも出ています。
2026年秋のタンク式新作2機種をチェック
サンコー「ラクア Plus」:予約タイマーと乾燥キャンセルを追加
サンコーは2026年10月20日、タンク式食洗機「ラクア」シリーズの進化版として「予約機能付きタンク式食洗機 ラクア Plus」(型番STDP26SWH)を発売しました。販売価格は39,800円(税込)で、サンコー公式オンラインストアや各種ECサイトで販売されています。発表によると、ラクアシリーズは累計11万台を超えているそうです。
今回追加されたのは、次の3つの機能です。
- 予約タイマー:1時間単位で1〜18時間後に運転を始められる
- 乾燥キャンセル:自動で始まる温風乾燥を省いて、扉を開けて自然乾燥にできる
- チャイルドロック
給水は本体上部の給水口から注ぐタンク式で、1回の使用水量は約5L。付属の給水ホース(1.5m)を使えば、分岐水栓からの直接給水にも対応する2WAY仕様です(分岐水栓の水圧は0.03〜1MPa)。最高70度のお湯と回転上下ダブルノズルで洗い、乾燥は高温+送風方式です。
パナソニック「NP-TSP2」:フライパンも入るタンク式卓上型
パナソニックは2026年8月5日に、タンク式の卓上型食器洗い乾燥機「NP-TSP2」を発表しました。発売は2026年9月中旬の予定とされています。
発表で示された特徴は次のとおりです。
- 食器点数は2人分で計12点(日本電機工業会の自主基準による)
- 奥行の有効スペースを従来比で約40mm拡大
- 全長45cm以下・直径26cm以下・高さ6.5cm以下のフライパンに対応
- 約26分で洗い終わる「スピーディ」コース
- 最終すすぎを約80℃にする「80℃すすぎ」
- 2人分の「タンブラー&ボトルホルダー」を搭載
公式発表で確認できる項目を比べると
| 項目 | サンコー ラクア Plus | パナソニック NP-TSP2 |
|---|---|---|
| 発売 | 2026年10月20日 | 2026年9月中旬(予定として発表) |
| 給水 | タンク式+分岐水栓の2WAY | タンク式 |
| 容量の目安 | 標準15点(2〜3人分、15〜17点) | 2人分・計12点 |
| フライパン | 上部トレイを外して直径最大28cm | 全長45cm・直径26cm・高さ6.5cm以下 |
| 特徴的な機能 | 予約タイマー、乾燥キャンセル、チャイルドロック | スピーディコース約26分、80℃すすぎ、タンブラー&ボトルホルダー |
| 本体サイズ | 幅425×奥行425×高さ455mm(開扉時の奥行760mm) | 発表資料に記載なし |
※NP-TSP2の価格・本体サイズは発表資料で確認できなかったため記載していません。購入前に販売ページや公式の仕様表で確認してください。
工事不要の食洗機を置く前に確認したい5つのこと
工事がいらないぶん、「買ったのに置けなかった」「思ったより使いにくかった」という失敗は、設置まわりで起きがちです。次の5つは購入前にチェックしておきましょう。
1. 置き場所の幅・奥行・高さと「扉を開けたときの奥行」
見落としやすいのが、扉を開けたときの奥行です。たとえばラクア Plusは本体の奥行が425mmですが、扉を開けると奥行760mmになります。シンク横の作業スペースに置く場合は、扉を開けた状態で食器の出し入れができるか、通路をふさがないかをメジャーで測っておくと安心です。サンコーは別売りの専用ラックで、シンク横以外の空きスペースに置く方法も案内しています。
2. 排水ホースがシンクに届くか
タンク式でも、洗ったあとの水はホースでシンクに流します。ラクア Plusの排水ホースは1.5m。置きたい場所からシンクまでの距離と、ホースがたるんだり持ち上がったりしないかを確認しましょう。
3. 毎回の給水を続けられるか
タンク式は、使うたびに水を注ぐ必要があります。ラクア Plusは1回約5Lで、付属の給水カップで注ぐ方式です。毎日使うなら「この作業を続けられるか」を一度イメージしておくのがおすすめです。手間が気になる場合は、2WAYタイプを選んでおけば、あとから分岐水栓での直接給水に切り替える道も残せます。
4. 家族の人数と「一度に洗いたいもの」
容量は、家族の人数だけでなく何を一緒に洗いたいかで選ぶのがコツです。フライパンや鍋まで入れたいならフライパンの対応サイズを、水筒やタンブラーをよく使うならホルダーの有無を確認しましょう。容量に余裕がないと、結局「入りきらない分を手洗い」になってしまいます。
5. いつ回すか(運転の時間帯と乾燥のしかた)
夜に食器を入れて朝に終わらせたい、外出中に回したい、という人は予約タイマーの有無が便利さを左右します。また、乾燥まで自動で行うか、乾燥を省いて自然乾燥にするかを選べると、使い方の幅が広がります。運転音が気になる間取りなら、寝室との位置関係も考えておきましょう。
食洗機を使うときの注意点
- 洗剤は食洗機専用のものを使う:手洗い用の台所用洗剤は泡立ちやすく、食洗機には使えません。ラクア Plusの発表では、専用洗剤の使用量は約8gとされています。
- 食洗機に対応していない食器は入れない:漆器や木製品、耐熱性のないプラスチックなどは、食器側の表示を確認しましょう。
- アース線をつなぐ:水を使う家電なので、コンセントにアース端子があるかも事前に確認しておくと安心です。
こんな人には工事不要の食洗機が向いている
- 賃貸で、蛇口の交換や分岐水栓の取り付けをしにくい
- 2〜3人分くらいの食器を、1日1回まとめて洗いたい
- 引っ越しの予定があり、持ち運べる家電を選びたい
- 手荒れや冬の冷たい水での洗い物を減らしたい
逆に、毎食後に大量の食器や大きな鍋を洗う家庭では、容量や給水の手間がネックになることもあります。その場合は、分岐水栓式や容量の大きいモデルも含めて比べてみてください。
まとめ:工事不要の食洗機は「置き場所」と「使う時間」で選ぶ
工事不要の食洗機選びで大切なのは、次の3つです。
- 扉を開けたときの奥行まで測る(置き場所・排水ホースの長さもあわせて)
- 洗いたいものから容量を決める(フライパン・水筒が入るか)
- 使う時間帯に合う機能を選ぶ(予約タイマー、乾燥の切り替え、スピーディコース)
予約タイマーと2WAY給水で使い方の幅を広げたいならサンコー「ラクア Plus」、フライパン対応やスピーディコースを重視するならパナソニック「NP-TSP2」が候補になります。年末は洗い物が増える時期なので、早めに置き場所を測って検討してみてください。
参考にした出典
サンコー株式会社「累計11万台突破の大ヒットシリーズに進化版。工事不要ですぐ使える『予約機能付きタンク式食洗機「ラクア Plus」』を発売」(PR TIMES、2026年10月20日):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000510.000111905.html
パナソニック「タンク式の卓上型食器洗い乾燥機 NP-TSP2」に関するお知らせ(Panasonic Newsroom、2026年8月5日):https://news.panasonic.com/jp/topics/206815