テレビのリモコン、ワイヤレスマウス、ゲームのコントローラー。気づけば家の中は単4電池で動くものだらけです。僕も「また電池切れか」と引き出しを探して、買い置きがなくてコンビニに走る……ということが何度もありました。
そこで気になるのが1.5Vのリチウム充電池です。乾電池と同じ形のまま、本体にUSB Type-Cの差し込み口がついていて、専用の充電器なしで充電できるタイプが増えています。2026年10月17日には、ORICOから単4形の新作も発表されました。
ただ、充電池といえば「エネループ」のようなニッケル水素電池も定番です。この記事では、公式発表で確認できた情報をもとに、1.5Vリチウム充電池とニッケル水素充電池の違い、向いている機器、選ぶときのチェックポイント、安全な使い方と捨て方までまとめます。
1.5Vリチウム充電池とは?乾電池型のUSB充電池
1.5Vリチウム充電池は、中身はリチウムイオン電池ですが、内部の回路で出力を1.5Vにそろえて、アルカリ乾電池と同じ形・同じ電圧で使えるようにした充電池です。製品によっては、電池本体にType-Cポートがついていて、USBケーブルを挿すだけで充電できます。
ふつうの充電池(ニッケル水素電池)は公称1.2V前後なので、「乾電池と同じ1.5Vで使える」ことがいちばんの違いです。
新作:ORICO 単4形リチウム充電池の特徴
ORICOが2026年10月17日に発表した単4形リチウム充電池について、プレスリリースで確認できた内容を整理しました。
| 項目 | 内容(プレスリリースより) |
|---|---|
| 出力電圧 | 1.5Vの安定出力 |
| 容量 | 1本あたり500mWh |
| 繰り返し使用 | 約1,500回の充放電サイクル |
| 充電方法 | 電池本体にType-C充電ポート。付属の4-in-1ケーブルで最大4本を同時に充電でき、約1時間で充電完了 |
| 安全機能 | スマートICチップで充放電を管理(過充電・過放電・過電流・短絡に対応)。PSE認証取得済み |
| 用途の例 | リモコン、ワイヤレスマウス、キーボード、ゲームコントローラー、LEDライトなど |
| 販売 | Amazon |
プレスリリースでは、10月16日〜12月16日の期間に割引とクーポンを組み合わせたキャンペーンも案内されています(通常価格2,480円のモデルが割引後1,480円、2,580円のモデルが割引後1,548円)。キャンペーン内容は変わることがあるので、購入前に販売ページで確認してください。
ニッケル水素充電池(エネループ)との違い
比較の基準として、定番のパナソニック「エネループ」スタンダードモデル(単4形)の公式情報も確認しました。
| 比較項目 | 1.5Vリチウム充電池(ORICO新作) | エネループ スタンダード単4形 |
|---|---|---|
| 電圧 | 1.5V(安定出力) | 1.2V前後 |
| 容量の表記 | 500mWh | min.800mAh |
| 繰り返し回数 | 約1,500回 | 約600回(現行JIS規格)/約2,100回(旧JIS規格) |
| 充電方法 | 電池本体のType-Cポート | 専用の充電器 |
| 放置後の残量 | プレスリリースに記載なし | 1年後約90%、10年後約70%(満充電後20℃で放置した場合) |
容量は「mWh」と「mAh」で単位が違う
ここで注意したいのが容量の単位です。リチウム充電池は「mWh(ミリワット時)」、ニッケル水素電池は「mAh(ミリアンペア時)」で書かれることが多く、そのままでは比べられません。
ざっくり比べるなら「mAh×電圧=mWh」で換算します。エネループ単4形のmin.800mAhに1.2Vをかけると約960mWh。ORICO新作の500mWhは、計算上はその半分ほどです。あくまで単純計算の目安ですが、「長持ち」を最優先するならニッケル水素、「乾電池と同じ電圧」と「充電の手軽さ」を優先するならリチウムという考え方がわかりやすいと思います。
繰り返し回数は試験条件がそろっていない
エネループの回数はJIS規格の試験条件に基づく目安で、規格が変わると数字も大きく変わります(現行約600回/旧約2,100回)。ORICOの「約1,500回」とは試験条件が同じとは限らないので、回数の数字だけで単純に優劣をつけないほうが安全です。
1.5Vリチウム充電池が向いている機器・向かない使い方
向いている機器
- 1.2Vだと動きが不安定になる機器:乾電池(1.5V)前提で作られていて、ニッケル水素電池だと早めに「電池切れ」表示が出る機器
- ワイヤレスマウスやキーボード、ゲームコントローラー:電池交換の頻度が高く、充電式のメリットが大きい
- 充電器を増やしたくない人:スマホと同じType-Cケーブルで充電できる
注意したいポイント
- 残量表示があてにならないことがある:出力を1.5Vにそろえる仕組みのため、電圧で残量を判断する機器では、残量表示が最後まで「満タン」のまま急に止まることがあります
- 使用できない機器がないか確認:機器の取扱説明書に「充電池不可」「リチウム電池不可」などの記載がないかを見ておきましょう
- 容量はニッケル水素より小さめのことが多い:消費電力が大きい機器では、充電の回数が増えることがあります
失敗しない選び方 5つのチェックポイント
1. サイズと本数
単3形か単4形かは当然として、同時に何本必要かを数えておきましょう。リモコンなら2本、ゲームコントローラーなら2本×台数、というふうに家の機器を洗い出すと、セットの本数を決めやすくなります。
2. 充電方法(Type-C直挿しか、専用充電器か)
電池本体にType-Cポートがあるタイプは充電器が不要で、持ち運びにも便利です。一方で、まとめて何本も充電したいなら、同時に充電できるケーブル(ORICO新作は4-in-1ケーブル付き)があるかを確認しておくと快適です。
3. 容量の表記(mWhかmAhか)
先ほど書いたとおり、単位が違うと比較できません。mWh表記どうし、mAh表記どうしで比べるか、換算して目安をつかみましょう。
4. 保護回路とPSEマーク
リチウムイオン電池は扱いを間違えると発熱・発火のリスクがあります。過充電・過放電・短絡などの保護機能がうたわれているか、PSEマーク(電気用品安全法の基準を満たした製品の表示)があるかを確認しましょう。
5. 使う機器との相性
機器側の説明書で使える電池の種類を確認するのが確実です。残量表示がある機器では、表示が正しく出ないことがある点も頭に入れておくと安心です。
安全な使い方と捨て方
リチウムイオン電池の事故は身近に起きている
製品評価技術基盤機構(NITE)北陸支所が2026年7月に公表した資料では、2021年〜2025年の5年間に北陸3県だけでリチウムイオン電池搭載製品の事故が41件あり、そのうち37件が火災でした。非純正のバッテリーを充電中に異常発熱して出火した事例や、リコール情報を確認していなかったことで起きた事例が紹介されています。
充電池を使うときは、次の点を守りましょう。
- 充電中に熱くなりすぎたり、膨らんだりしたら使用をやめる
- 落としたりぶつけたりして変形した電池は使わない
- 高温になる場所(夏の車内など)に置きっぱなしにしない
- 買った製品のリコール情報をときどき確認する
捨てるときは端子を絶縁して回収へ
小型充電式電池のリサイクルを行う一般社団法人JBRCは、ニカド電池・ニッケル水素電池・リチウムイオン電池を回収対象としていて、金属端子をビニールテープなどで絶縁してから協力店・協力自治体に持ち込むよう案内しています。ただし、JBRC会員企業の製品であることなどが条件で、メーカー不明品は対象外です。
乾電池型の1.5Vリチウム充電池がJBRCの回収対象になるかは製品によって異なる可能性があるので、捨てるときはメーカーの案内やお住まいの自治体のルールを確認してください。燃えないゴミなどに混ぜて捨てると、収集車や処理施設での火災の原因になることがあるので、ほかのゴミに混ぜないようにしましょう。
まとめ:乾電池の置き換えなら「電圧」と「充電の手軽さ」で選ぶ
1.5Vリチウム充電池は、乾電池と同じ1.5Vで使えて、Type-Cケーブルで手軽に充電できるのが魅力です。2026年10月に発表されたORICOの単4形新作は、500mWh・約1,500回・Type-C直挿し・4本同時充電ケーブル付きと、日常の小物家電用にちょうどいい仕様になっています。
一方で、容量の大きさや長期保存での残量、実績の長さではエネループのようなニッケル水素電池にも強みがあります。リモコンやマウスなど「乾電池前提の機器」にはリチウム、消費電力が大きい機器や長期保存用にはニッケル水素と使い分けるのが、僕のおすすめの考え方です。
どちらを選ぶ場合も、PSEマークと保護機能を確認し、捨てるときは端子を絶縁して正しく回収に出しましょう。
参考にした出典
ORICO 単4形リチウム充電池に関するプレスリリース(PR TIMES、2026年10月17日):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000266.000145928.html
パナソニック「エネループ(ニッケル水素電池)」特長ページ:https://panasonic.jp/battery/feature/eneloop.html
NITE北陸支所「リチウムイオン電池搭載製品」注意喚起資料(2026年7月15日):https://www.nite.go.jp/data/000161885.pdf
一般社団法人JBRC「廃棄方法(回収対象/対象外説明)」:https://www.jbrc.com/general/recycle_flow/